1999/02/14 イブレアのカーニバル(オレンジ合戦:BATTAGLIA DELLE ARANCE)

on 1999-02-14 | Tags: イタリア, 街歩き, 鉄道

ろくに読めもしないのに、毎朝のようにメトロを降りるとスタンドによって、新聞を買っては眺めている。 最近のお気に入りは「RE PUBBLICA」という新聞なのだが、この新聞には曜日によって、旅行マップやらコンピュータ関連の小冊子やらのオマケがついてくる。

ベネツィアから戻って、おん君も帰国して、やれ一息という木曜日、いつもの通り、新聞を買うとこの日は、国内外の旅行情報の小冊子(と他3冊)の日であった。 この週は各地方のカルネバーレ(カーニバル)特集、IVREAという街のBATTAGLIA DELLE ARANCE(オレンジ合戦)という記事と写真が目に止まった(オレンジを投げ合うなんてユニークで面白そう...ミラノから120Km、なんだ近いじゃん!今度の日曜から火曜まで-あ、日曜なら行けるじゃない!)。 ベルガモ、コモ、ベネツィアと3週連続だったので、今週くらいは大人しくしていようと考えていたのに、もう手が勝手に時刻表をめくっている。

朝7時20分の電車に乗る。 コモやベルガモに行ったときのように、駅まで歩いこうと思うと、この電車に間に合うにはまだ真っ暗な6時前の街を歩かないと着かないので、今回は安全と睡眠時間を買うつもりでタクシーを拾った。

電車は準急2等席。 空いていたのでAmieと2人?で1ボックス占領する。 ミラノを抜けると、窓からはロンバルディアの真っ平らな平原と、遠く雪のアルプスが見渡せる。 お天気は快晴、素晴らしい!!短い休みを日本からはるばるやってきたおん君に、イタリアはどうしてこういう景色を見せてはくれなかったんだろう?ふと、そう考えてちょっと心が痛む(実際のところで天気が悪かったのはあの2日間だけだったのだ)

途中、キバッソ(CHIVASSO)で乗り換えてIVREAの街に到着。 駅から歩いて5分ほど、川の向こうにある旧市街は、ちんまりとまとまった感じの良い街並みである。 建物や通りには地区ごとに異なった旗が下げられている。 通りのあちこちでは赤い帽子を売る屋台が並んでいて、街の人も観光客もみんな赤い帽子をかぶっていた。 このカーニバルで行われるオレンジ合戦はある伝説的なお話に由来しているらしいのだが、あの赤い帽子もなにか由来があるに違いない(パンフレットを貰い損ねたのでよく判らない)。 私も赤いバンダナを買って、Amieに巻いてやった。
真っ黒なAmieに、ちょっとくたびれたような朱色がよく似合った。 街中で、同じように赤いバンダナをしている大型犬にも何頭か出会ったけど、みんなサマになっていて素敵だった。

ある広場で炊き出しみたいなことをしていて、なにがしかの寄付をすると、豆のスープとかワインを分けてくれる。 地元の人は鍋持参で貰いに行っていた。 アンティークな衣装に身を包んだ仮装行列と音楽隊がこの広場でいったん解散で食べたり飲んだりしている。 ここで地元の人に、オレンジを投げ合うのは午後からということを教えて貰い、午後までは街をぷらぷらすることにした。 合戦は午後からだが、例の仮装行列とか、領主?風の人とお姫様のご挨拶とかがあったので、人の流れにくっついて歩いて廻る。

見物客のお供で、犬もそこら中うろうろしている。 シェパードみたいな大型犬からおチビさんまで。 小さい街なので出演者も見物客もお互い顔見知りらしく、「チャオ!クリスティーナ、衣装が似合ってとても素敵よ」なんて人間同士が挨拶をかわす足元で、犬同士も挨拶を交わしていたりする。 Amieの所にも、他の犬が挨拶に来たり、まだ3歳くらいの怪傑ゾロの仮装をしたかわいい男の子がAmieに触りにきたりした。 そうそう、仮装行列の中央を、ものすごく美人のお姫様が、ものすごく綺麗な純白のサルーキーみたいな犬(首輪は、お姫様とお揃いの濃い碧色のベルベットに宝石がついている)を伴って歩いていたのも印象的だった。

さて、午前中はPIAZZA DI CITTA'という広場で催しがあったのを最後にお昼休みになった。 その辺のバルで、さっきのお姫様が衣装もそのままに、音楽隊のおじさんと一緒にカフェを飲んで世間話をしていたりするのが、いかにも市民総出のお祭りらしくて楽しい。

私は、ちょっと登ったところにあるドゥーモと城を見に行って市内に戻る途中、ガルダ博物館前の広場(PIAZZA OTTINETTI )という所に出たので、そこで午後のオレンジ合戦を見ることにした。 広場には既にオレンジの木箱が大量に積まれてある。 見物客はオレンジを1個抜き取って食べたり、オレンジででサッカーやキャッチボールをしたりしてのんびり遊んでいる。 広場内には2つのチームの旗が下げられていて、広場周辺には観光客用にオレンジよけのネットも張り巡らされて、バックには楽しい音楽-DJつき(DJというより、大阪の盆踊りによくいる噺家の人みたいな存在)。 私達も広場のネット裏の階段に席を確保して、ひなたぼっこをしながら、待っていた。 時々子供達が来て、「AUGURI」とかなんとか言いながら、Amieに紙吹雪みたいなのを降らせて行く。 真っ黒Amieがその時だけ色とりどりのカラフルAmieになった。

オレンジを投げる役の若者たちも揃い、だんだん見物客も詰まってきた2時半過ぎ、ようやくやっつけられ役の馬車到着、この後何十台も次々と広場を通り過ぎて行ってオレンジ合戦が繰り広げられる。 馬車は2頭だてか4頭だてで、上には完全防備の人が10人ほど乗っている。 彼らめがけて広場の2チームがオレンジを思いっきり投げつけるのだ。 辺り一面オレンジの香り。 ネットがあってもたまに飛沫が飛んで来る(私のイタリア語の辞書は、この日の晩、オレンジの良い香りがしていた)。 Amieはというと、オレンジを食べたことが無いからか、酸味の強いのは苦手なのか、靴が滑るほど地面に落ちているオレンジに余り興味を示さない。 どっちかというと、人混みの中で、Amieに気付いた見物客に、身体を撫でて貰う快楽に浸っている(拾い食いしないで助かったー)。

さて、馬車が20台位過ぎて、3時半を廻った頃、街の他の場所もちょっと見てから明るい内に帰宅に入ろうかな~と考えて、広場を引き上げることにした。

広場を出ようとしたら通路が狭い上に、出る人、入る人でごった返している。 Amieは背が低いので、群衆の中では気付かれにくい。 下手をすると、踏みつけられて怪我しかねない。 それに、こんなにごった返すと思っていなかったので口輪も着けていない。 (この日、人混みにはいるときだけは事故防止に、念のため口輪を付けさせていた)「きゃー、どうしよう」と思ったときにはもう満員電車状態に巻き込まれていた。 とにかくAmieは守ってやらねばならない。 「犬がいます」と叫ぶと、足元のAmieに気付いてくれた人たちが、「犬にご注意!」と周囲に大声で注意を呼びかけたり、身体でガードしてくれたりしてとてもありがたかった。

彼ら、彼女らのおかげでなんとか無事に通りに抜け出せたが、抱きかかえられるような小さい犬ならともかく、犬連れでうっかり人混みに入っては危ない事を痛感させられた。 それに、万が一Amieが足を踏まれた時に、踏んだ人を反射的に咬まないという「絶対の」保証はないし(実際には、ヒャイーンと情けない悲鳴を一つあげるだけでしょうが。)、鼻先で服や身体に触られるのを嫌だと感じる人も実際にいるので、ある程度以上人が集まる場所では口輪は着けておくに越したことはないと思う。

通りにでると、何十頭もの馬にまたがった仮装行列、その後ろにはポニーにまたがったかわいらしいチビ姫たちが続く、その後を、山車の上から仮装したお姉さんがミモザの花やキャンディーを通りの見物客に投げてくれる。 ミモザの花を一房ゲットしたので、Amieの赤いバンダナにさしてやった。

Amieは生まれて初めて間近に見る馬達が怖いらしく、馬が近づくとしっぽを巻いて必死で歩道上に上がろうとするので、それを見ていたご婦人達に笑われてしまった。 彼女たちの連れているチビ犬達(ポメとかテリアとか)は馬を見ても全然平気なのに、図体のデカイAmieが逃げている様は確かに漫画チックだった。 ま、吠えて馬を驚かせるよりはずっと良いかな...

帰りは4時38分の電車。 お祭り帰りの人達で混雑していたが、何とか座れた。 今日は他の街でもそれぞれカルネバーレがあったらしく、途中で乗ってくる人達もお化粧していたり頭に紙吹雪(あれ、なんて言う名前なんだろう?)がついたままだったりとちょっと賑々しかった。 でも私は、朝早かったからか、1日中石畳の道を歩いたからか、カーニバルの迫力がコンサート2回分位あったからか、結構疲れていて、電車で何度も居眠りしそうになった。 検札や乗り換えの心配などしなくてよいAmieは、呑気なもので電車が動き出した途端に床のカーペットに変身であった。

6時半過ぎにミラノに着いて、帰宅はタクシー利用で7時過ぎ。 途中タクシーの運ちゃんにミラノのカルネバーレが来週末にあることを教えられ、次の土曜日はミラノにいて街に繰り出す事に決定!

記事本文おわり

旅のデータ - 1999/02/14 イブレアのカーニバル(オレンジ合戦:BATTAGLIA DELLE ARANCE)

電車(ミラノ-イブレア間)
乗車区間: MILANO→CHIVASSO→IVREA、2等利用
料金:人間=L.28000リラ
   犬 =L.17000リラ 口輪必要
所用時間:2時間
市内の交通機関:
小さい町なので、歩いて回れます。

(1999-02-14 現在)